ここで少し話題を換え、世界とわが国の関わりについて考えてみましょう。国際的紛争地域における最大の問題は、弱者である一般市民が被る被害です。その中でも中長期的に見ると劣化ウラン弾による発がんが注目されています。このことは今回サマーワに派遣された自衛隊員についても将来に禍根を残すことのないような対処が必要となります。このような発がんへの対応に最もふさわしいのがさまざまながんへの適応が可能な重粒子線治療です。
本装置の持つ能力はがん治療だけに限定されてはいません。宇宙空間にて電子機器が高い信頼性のもとに稼動するためには、放射損傷に耐える機器の開発が必要となります。これらの実験に不可欠なのがシンクロトロンなどの大型加速器です。またこれまでのプラント輸出はハードに限定したものがほとんどでした。しかし今後はソフトである医療システムまでを包括した案件が期待されています。そのような意味で、最重要となるのが人材トレーニングであるといえます。このように本装置の周辺には様々な貢献が期待されています。 |